(1)大寺No.5孔(掘削深度20m)

〈層相記載〉

本孔は、地表より深度1.26mまでは耕作土からなる。深度1.26〜1.98mは、主に腐植混じりのシルトからなり、細礫〜中礫サイズの泥岩亜角礫を混入する。深度1.98〜2.83mは、礫混じり砂〜礫層となり、礫は泥岩や凝灰岩の他、安山岩が含まれる。深度2.83〜3.92mは強〜中腐植質粘土と礫混じり砂が互層する。深度3.40〜3.44mの細砂において、地層が10°傾斜する。深度3.92〜6.56mは、細砂・シルト層と、砂礫層が互層する。砂質部では、上方細粒化や葉理がみられ、葉理の傾斜は10〜15°である。深度6.56〜8.13mは細砂を主体とし、一部シルトや細礫を含む。深度8.13〜8.28mは、弱く腐植質を呈する粘土・シルトとなる。深度8.28〜10.24mは、砂質となり、細砂〜礫混じり粗砂を主体とする。深度10.24〜10.58mは腐植質粘土を主体とし、腐植度は弱い。深度10.58〜12.87mは、礫混じりの砂が主体となり、上方細粒化・上方粗粒化がみられる。深度12.87〜13.15mは、腐植質〜腐植混じりの粘土や砂からなり、礫を混入する。深度13.15〜14.43mは粗粒となり、砂礫〜粗砂が主体となる。深度14.50〜14.71は、中腐植質シルトからなる。深度14.71〜17.60mは礫混じり砂と中〜粗砂が繰り返すが、深度16.54〜16.79mは礫が密集する。深度17.60〜19.39mは、中〜粗砂を主体とし、一部礫を混入する。上方細粒化(細礫→粗砂)が3サイクル認められる。深度19.39〜20.00mは、砂礫からなり、中〜巨礫を主体とし、最大でφ27cmの凝灰岩礫を含む。

14C年代値〉

本孔深度1.50mの腐植混じりシルトより4,691±51y.B.P、深度3.75〜3.80mの礫混じり腐植質シルトより10,610±70y.B.P、深度10.5mの腐植質粘土より38,163±415y.B.P、深度12.9〜12.95mの腐植質シルトより44,820±3170y.B.P、深度14.60mの腐植質シルトより41,268±574y.B.Pの14C年代値が得られた。