3−5−5 調査結果

調査結果を表3−5−1層序表及び図3−5−9地質断面図にまとめる。

本地区では沖積面に比高2m前後の明瞭な低断層崖が連続する。この低断層崖の上盤側、下盤側にはともに本流性の礫層が厚く分布する。礫層中の有機質粘土ブロックの年代は約10,000年前を示す。トレンチでは断層を確認することはできなかったが、礫のインブリケーションの解析によって、きわめて不明瞭ではあるが、低断層崖の直下に後生的な変形を示唆する状況が見られた。ただしイベントの判断材料となり得るようなものではなかった。

本流性の礫層の上には厚さ2m以下の細粒土層が載るが、上盤側についてはほぼ全層が人工改変を受けており、年代値は200年より新しい。低断層崖直下には層厚約1.5mの埋もれ木を多量に含む粘土層(約2,500年前〜1,000年前)が分布するが、この粘土層が変形を受けた形跡は認められない。また、上盤側にはこの粘土層またはこの年代に相当する地層は分布しない。

表3−5−1層序表