(2)地質構造

fa・b断層を対象として掘削したトレンチであったが、結果として断層は認められなかった。壁面中断に極緩く西に傾斜する腐食土層が認められるが、これは既存No.3ボーリング及びNo.9ボーリングの約6,000年前の年代を示す腐植土層にスムーズに連続することから、これより平野側にもfa・b断層に相当する少なくとも6千年以降に活動した断層は存在しない。もともとfa・b断層が推定された根拠は、No.2ボーリングにおいて新しい砂礫層の上に基盤の泥岩がのっているということであったが、トレンチ観察によれば泥岩とされた地層は泥岩角礫を多量に含み基質も同質の砕屑物からなる完新世の角礫混じり粘土層(C層M)であった。