(1)層相

トレンチ壁面の地層を層相により上位から順にA,B,Cの3層に区分した。それぞれの層相について以下に示す。なお、番号は図3−3−3スケッチ中の番号に対応している。

【A層】

本層は粘土、砂、礫を主体とする谷底堆積物である。、

@ 粘土層。やや腐植分を含む。シルト岩の礫が点在。14C年代は959±33y.B.P。

A 角礫混じり粘土層。基盤のシルト岩風化礫を多く含む部分をレンズ状に挟む粘土層。φ0.5〜2.5cmの角礫主体。中央部に腐植質な部分を薄層状に挟む。14C年代は1,122±31 y.B.P、1,670±33 y.B.P。

B 礫混じり腐植質粘土(弱腐植)。φ1〜6cm(max20cm)の亜円〜円礫を含む。礫種は凝灰岩、凝灰質泥岩、凝灰質シルト岩。

C 砂礫(チャネル堆積物)。マトリックスはシルト混じり細粒砂。礫はφ1〜10cmの亜円〜亜角礫主体。礫種はチャート、凝灰岩、凝灰質泥岩、シルト岩。

D 腐植質粘土層(弱〜強腐植)。亜円〜亜角礫(風化礫)点在。14C年代は5,606±39 y.B.P。

E 角礫混じり粘土層。基盤の風化礫を多量に混入する部分を含む粘土層。

F 砂礫(チャネル堆積物)。亜円〜円礫主体。φ0.5〜11cm。淘汰悪い。マトリックスは細粒砂。礫種は凝灰岩。チャート、安山岩、凝灰質泥岩。

【B層】

本層は腐植質粘土を主体とする湿地性堆積物である。

G 腐植土層(強腐植)。黒色を呈す粘土。シルト岩の礫(φ0.5cm)点在。14C年代は5,620±70 y.B.P及び5,960±70 y.B.P。

【C層】

本層は粘土、砂、礫を主体とする谷底堆積物である。

H 角礫混じり粘土層。基盤の風化礫を多量に混入する部分を薄層状に挟む。中央部にやや腐植分を含む部分を2層挟む。

I 円礫層。マトリックスは粘土。礫はφ1〜10cmの円礫主体。礫種は安山岩。凝灰岩、凝灰質泥岩、硬質泥岩。14C年代は7,613±35 y.B.P。

J 粘土層。青灰色を呈す。風化角礫点在。

K 基盤のシルト岩の風化角礫主体。φ0.8〜18cmの礫がぎっしりと密集している。

L 粘土主体層。やや青みを帯びた灰色を呈す。

M 角礫混じり粘土層。基盤の風化礫混じり。φ0.5〜2cmの角礫主体。14C年代は8,405±37 y.B.P。