3−2−1 調査仕様及び数量決定の経緯

本地区は以下の手順で調査を実施した。調査位置平面図を図3−2−1に示す。

@ボーリング掘削・試料採取

A観察・記載

B年代測定

C解析

本地区では谷の出口付近より平野側に向かってボーリングを9本実施した。それぞれのボーリングの目的は以下の通りである。

1)No.1及びNo.2…地形的に認められるもっとも山側の低断層崖の上盤側

2)No.3及びNo.4…上記低断層崖の下盤側

3)No.5及びNo.6…反射法探査から推定される山側の断層の下盤側

4)No.7及びNo.8…反射法探査から推定される平野側の断層の下盤側

5)No.9…澤・他(1996)に示される地形的な傾斜変換部より平野側

ボーリング深度の設定については、太田・他(1996)のボーリング調査結果を参考にし、更新世末期〜完新世の地層を確認するためには10m程度の掘削長が必要であると判断した。現地作業においては隣り合うボーリングとの層序関係に留意しながら掘削深度を決定するよう努めたが、実際には層相が極めて複雑で細かな判断は困難であった。ただし、No.9地点については、他のボーリング孔と異なって深度10m付近に顕著な腐植土層が現れたので、それを貫いてさらに下位の腐植土を確認するまで掘削したため、深度12mの掘削となった。