(21)No.21(掘削深度7.10m)

〈層相記載〉

本孔は、地表より深度0.32mまで表土からなる。深度0.32〜0.44mは、有機質粘土(弱腐植)からなる。深度0.44〜2.14mは微細砂〜粗砂を主体とし、シルト分を含む。一部、木片や腐植分を少量混入する。深度2.14〜2.40mは有機質シルトからなり腐植物や細砂を混入する。深度2.40〜5.88mは、主に均質な黒褐色粘土からなり、灰白色凝灰質部の薄層や有機質粘土(弱腐植)薄層を挟在する。深度5.88〜7.10mは、腐植質粘土(弱〜中腐植)・礫混じり粘土・シルト混じり粘土が互層状を呈する。

14C年代値〉

本孔の深度2.20〜2.30mの有機質粘土から3270±70y.B.Pの14C年代値が得られた。

(テフラ)

本試料の深度3.90〜3.92m付近には薄い火山灰が挟まれている。ただし火山ガラスがごく少量しか含まれておらず、ほとんどが細粒の粒子からなっていることなどから、2次的な堆積層と考えられる。火山ガラスの屈折率(n)は、1.499−1.504(modal range:1.499−1.501)である。この火山ガラスについては、その特徴から約2.4〜2.5万年前に姶良カルデラから噴出した姶良Tn火山灰(AT)に由来すると考えられる。