5−6−3 トレンチ調査の留意点

山形盆地の南部では平成9,10年度調査によって断層の活動履歴が明らかになりつつある。このため、山形盆地北部と南部の活動履歴を比較検討することによって、これらの断層帯の一度に活動する区間をあきらかにすることが可能であり同時にこれらの断層の複数の地点で得られた情報から活動間隔を特定することも可能であるるため、この地区におけるトレンチ調査は重要な意味を持つ。

仮に断層の最終活動時期が南部地域と異なる場合、南部区間の最大延長は20km程度と特定される。また、大石田町横山地区とも異なる場合には山形盆地北部地域で雁行・並列する断層帯はいくつかのセグメントに分離される可能性がある。

これに対して、断層帯の南部と北部が仮に同時に活動するならば、断層帯のほぼ中央部に位置するこの地区で断層の単位変位量は最大値を示す可能性が高く、断層の延長距離も。

最大で40kmを超えることになり、これらの値から起こり得る地震の最大規模をある程度想定することが可能となる。