3−5−1 調査目的および調査手法

調査地区では、断層変位によって形成されたと考えられる明瞭な崖地形が南北に連続している。しかし、周辺地域を含めてこの地域は低位段丘と沖積低地の比高が小さく、また背後の山地からもたらされた扇状地の発達によって盆地の埋積が新しい時代まで継続したと考えられるため、地下構造を知るために必要な地層の露出はほとんどない。このため断層位置を正確に把握し、トレンチ位置を決定するためおよび地層の高度差から変位の幅・量を把握するためにボーリング調査4地点を実施した。

調査実施地点は図3−5−1に示した4地点である。調査深度は最も東側のNo.1孔が20m,No.2孔が10m,No.3孔が20m,No.4孔が10mである。掘削は外径86mmでオールコア採取とした。コアの記載は1/20で行い、巻末資料に添付した。

また、この地域の断層変位の形態や変位の幅,変位量を明らかにするために、表層付近の精査と断層崖を横断する地形測量を行った。地形断面は図3−5−8(縮尺1/1,000)に示し測量線は図3−5−7(山辺町大寺地区活断層詳細図)に示した。