2−5−3 山形盆地断層帯

・断層位置

山形盆地北部では、大石田町横山付近,村山市富並−白鳥付近,河北町箕輪付近について従来の報告を修正し新たな断層を追加した。盆地南部については従来の報告を大きく変更すべき点は見当たらない。

・活動性

断層を従来通りに個々に区分した場合にはいずれも平均変位速度が0.1〜1.0m/1,000年の範疇に入り活動度はB級となる。しかし、並列する断層を総合するとある区間の活動度は大きくなる可能性がある。盆地の北部断層が雁行・並列する区間では低位段丘の変位地形が明瞭に観察されることから最終活動時期は15,000〜20,000年前以降と考えられる。南部では完新世の変位地形も観察され、一部では8,300年前以降の活動が観察された。

・延長距離

断層の延長距離は従来の報告では数kmごとに区切られ、個々の断層として呼称されていたが、調査結果からこれらの雁行・並列断層を以下の4区間に区分した。

@大石田町横山−村山市長善寺に至る区間(約20km)

A村山市湯野沢−寒河江市日和田に至る区間(約12km)

B寒河江市東部−山形市村木沢に至る区間(約20km)

C上山市街地西部−南部に連続する区間(約8km)

・検討課題

山形盆地では各断層の最終活動時期・活動間隔・活動規模に関する情報は極めて少なくこれらを明らかにするトレンチ調査・ボーリング調査が必要である。また、個々の断層の活動履歴を明らかにし、これらを比較検討することにより、活動規模を推定する必要がある。