2−1−2 新庄盆地断層帯

新庄盆地では複数の活断層が南北方向に連続・並列している。これらの活断層の延長距離は10km程度と比較的短いものとなっているが、この地域は山形盆地の北側延長に当たるため、その活動履歴や地質構造から連続性を確認すべきものである。また、従来の研究・報告ではこれらの断層の更新世後期における活動履歴に言及するものはないが、杉村(1952)は、新庄盆地を東西に横断する小国川に発達する段丘面の累積変位からこの地域では段丘面の形成期間中も第三紀層に見られる褶曲構造に調和的な褶曲運動が継続していたとしている。

鈴木(1988)は、新庄盆地と山形盆地の地質構造の特性からここで発生する断層の様式が異なるとし、この地域に見られる鮮新世の地層の急傾斜や逆転、断層露頭の存在、段丘面の変形や段差の存在からこの地域における活断層の分布を示している。