7−2−2 新庄盆地断層帯

新庄盆地の段層帯の活動性は、いずれもB級(平均変位量 0.1〜1m/1,000年)とされてきた。本調査で検討された段丘面の形成年代と段丘面に見られる撓曲崖や低崖の比高の関係からもこの評価は支持される。一方、最終活動時期については従来報告はないが、年代測定の結果から少なくとも17,000年前以降にも変位があった可能性は高い。特に、長者原断層では、この累積変位の量が各段丘面ことに調和的であり、更新世後期以降における断層活動が繰り返し起ったことを示唆している。

これに対し、沖の原断層では極めて新しい断層活動(完新世)は予測されるものの、地質構造や高位の段丘面からみた累積変位は低位段丘の変位量と不調和となっている。このことはこの断層の活動開始時期が他の断層に比べて新しいか、もしくは活動間隔が極めて長いなどの可能性を検討する必要がある。

盆地西部の鮭川断層も低位段丘V面に傾斜変換部が認められるが、中央部での変位がやや不明瞭であることなどから、全体が同様の変位様式をもつか検討の余地がある。