(5)山形市村木沢地域

この地域では山辺町市街地から山形市村木沢にかけては低位段丘U面の分布が優勢であるが、これより南では低位段丘V面の分布が優勢となっている。柏倉付近や二位田付近には低位段丘U面が分布するが、より南では沖積低地の占める割合が多くなる。村木沢の西側には、泥流堆積物のつくる緩斜面や高位段丘面も部分的に見られる。

この地域では山形市下反田から村木沢、門伝、柏倉にかけてやや雁行するリニアメントの連続が観察される(YL−23)。このリニアメントは低位段丘T〜U面に見られる低崖の連続、撓曲崖、バルジ状地形の連続によって認識されるものであり、撓曲の比高やバルジの発達状況から累積変位が読み取れる。また低位段丘U面とV面の境界となっている低崖も明瞭で連続性もよい。このことから、このリニアメントをAランクとした。

村木沢では、バルジの背後や低位段丘U面状に不連続な低崖が観察される(YL−24)。これらは、YL−23と一連のリニアメントである可能性が高いが、個々のリニアメントは連続性に乏しいことからBランクとした。

山形市菅沢から漆房にかけてには、断続的な崖地形が見られる(YL−25)。このリニアメントは山地と沖積地もしくは崖錐堆積地の境界に見られるものであり、累積変位は確認できないものであるが、崖錐堆積地そのものにも低崖が観察されることから、Bランクとした。