(2)舟形町長者原−堀内地域

この地域には、東から西に向かって流れ最上川に合流する新田川・小国川沿いに段丘の発達が良い。特に、新田川では低位段丘T,U面の連続が良く、小国川沿いでは低位段丘U,V面が極めて連続良く分布している。また、左岸側には高位面の発達が良く、右岸側の丘陵地と低位段丘U面の間に低位段丘T面が分布し、長者原から合海間の丘陵頂部には高位段丘面が見られる。

松橋川沿いおよび最上川の左岸には、中位段丘U,V面、低位段丘T〜V面が分布しており、松橋川と実栗屋川に挟まれた丘陵の頂部には高位段丘も見られる。

この地域に見られるリニアメントは新庄市角沢から舟形町長者原、堀内に連続するものである(JL−3)。このリニアメントは長者原付近で低位段丘U面に明瞭な撓曲崖もしくは断層崖が観察され、低位段丘V面にも低崖が見られる。また、舟形町冨田付近でも低位段丘T面に明瞭な撓曲崖が観察され、この連続が最上川左岸に分布する低位段丘T面にも観察される。

変位量は古い段丘面ほど大きくなっており、更新世後期における断層活動の繰り返しによる累積変位を読み取ることができる。このことから、このリニアメントのうち長者原付近から堀内付近までの間はAランクとしたが、北部の一部区間は時間面の変位が不明である点とリニアメントが不明瞭であることからBランクとした。