(3)荒瀬川−相沢川地域

この地域には、観音寺市街地の南側に低位段丘T〜V面と中位段丘T面が分布し、南部の平田町山谷新田付近に中位段丘U面,低位段丘U面,沖積段丘が分布する以外は丘陵地の頂部に断片的な高位面が見られるのみである。丘陵地と沖積低地の境界付近には、段丘面の分はほとんど見られず、崖錐地形が北部に連続的に分布する。

この地域でのリニアメントは、丘陵地と沖積低地の境界に連続する南北性の低崖・撓曲・傾斜変換部によって構成される(SL−7)。多くの部分で崖錐堆積地に崖地形が観察され、丘陵地と沖積低地が接する部分も直線的な崖地形となっている場合が多くAランクとした。しかし、リニアメントの南半分は地滑り地が分布しているため、崖地形の連続が不明瞭となっておりこの区間については、Bランクとした。また、北部区間の沖積低地側には、傾斜の変換部が南北に連続している。この区間は、変位地形の可能性が高いが、明瞭な断層崖としては観察されないためBランクとした。

上記リニアメントの東側の丘陵地には、更新世の活動が明瞭にできないリニアメントが複数観察される(SL−8,9,10,11,12)。これらのリニアメントは、500m〜3kmの延長をもっているが、このリニアメントを横断する段丘地形などが分布せず、断片的に分布する崖錐地形にも崖地形などは観察されない。また、リニアメントそのものも、明瞭さがやや乏しいためCランクとした。