2−1−3 山形盆地断層帯

山形盆地は、東に奥羽山地の主稜線に連続する山地が分布し、南は蔵王山の西麓となっている。北は葉山から連続する大高根山の稜線によって北に位置する尾花沢盆地と分離される。盆地の西側には、北部では葉山火山に連続する山地が分布し、南部では白鷹山を中心とする標高400〜800mの山地が分布している。盆地は南北約40km、東西の幅が5〜10kmで盆地中央部で幅が広がっている。

盆地北部では最上川が北に向かって流下する。盆地の北端部では大きな曲流が見られるが、ほとんどの区間は比較的直線的な流路をもっている。盆地南部では、最上川の支流である須川が南から北に向かって流下するが、山形盆地と上山盆地の間では盆地の東側を流れる以外は盆地の西側を流下する。盆地の東側には乱川・立谷川等の扇状地が形成され、寒河江川の合流点付近では、西側から扇状地が張り出している。

断層の分布が指摘されている地域は、盆地西側の平野と山地の境界付近であり、北部は北北東−南南西の方向性をもっている。これに対し南部ではほぼ南北の方向性となっている。盆地北側に位置する尾花沢盆地と南側の上山地域は地形的に分離された形状をとるが、いずれも小規模なものであるため本報告では山形盆地の一部として扱った。