(3)法林寺断層

法林寺断層にほぼ直交方向の東西断面を2断面、やや斜交する1断面、計3断面(北からT−T'、U−U'、V−V')作成した。福野町中心街はデータが多いが、丘陵に向かうにつれデータは少なくなっている。

(1)T−T'断面(図3−1−11

本断面位置は小矢部川を上下流方向に切った断面であるが、大まかにボーリング柱状図の地質境界、および電気検層結果による類似パターンをつないでみると、小矢部川を境に北西側では地質・比抵抗分布のパターンの連続性がよいのに比べ、南東方向では連続性も悪く分布地質も大きく異なる。庄川扇状地と小矢部川扇状地の堆積物の差とも考えられるが、断面線より少し離れた箇所のボーリング柱状図を見てみると、小矢部川付近を境に比抵抗分布のパターンが明瞭に異なる。この断面の小矢部川付近は空中写真判読による法林寺断層の北方延長にあたり、地層の擾乱などにより比抵抗分布が乱れていることも考えられる。

(2)U−U'断面(図3−1−12

柱状図の記載のおおざっぱなものが多く地質では境界を引くことができないが、電気検層の比抵抗分布パターンから見ると東側の寺家〜院林間で連続性がよいが、院林より西には連続性が乏しい。この付近は庄川扇状地の末端にあたり、院林より西では小矢部川扇状地の堆積物であることを示唆しているものと思われる。平野/丘陵境界付近はデータがないため詳細は不明である。

(3)V−V'断面(図3−1−13

この付近はデータに乏しく詳細はわからないが、大まかにボーリング柱状図の地質境界、および電気検層結果による類似パターンをつないでみると、各地層は丘陵地に向かいその分布深度が浅くなるようにも思われる。