(1)地形・地質概要

 当地区は、高清水断層の北部にあたり、井波市街から2km南方の山麓境界に位置する。山際および平野部には、低位段丘IV面とIII面が広く分布し、西大谷川(現在水路となっている)および支沢が作った低位段丘V面構成層がこれを削り込んでいる(図5.2.1.1)。また、清玄寺を南北に延びる断層と山麓境界(水路付近)を通る北東−南西走向の2本の断層とが収斂し、かつ南からは、東城寺の扇状地を形成している低位段丘III面を切っている断層と山際の断層とが収斂する場所にあたる。東城寺南方の山地を構成しているのは、安山岩質の礫を含むシルト層、砂礫層、砂層からなる埴生累層相当層であり、段丘下の基盤を構成している。

 当地区において、地形的に山際の断層は低位段丘III面まで、それより20m北方平野側の断層は、低位段丘IV面まで変位を与えているが、それ以降の段丘面には変位を与えていない。