(6)イベントの時期

 イベント発生時期については、表5.1.2に示すとおり、当地区においては、約4万年前から1万5千年前までに少なくとも4回あることが明らかとなった。

 イベント2およびイベント3の年代範囲は,それぞれ1,660年(27,650−25,990yBP), 3,240年(31,280−28,040yBP)と比較的短いのに対して,イベント1とイベント4は,それぞれ9,460年(24,780−15320yrBP)、12,170年(43,610−31,440yrBP)と非常に長い。イベント1とイベント4は、イベント境界となる地層間の構造差は大きく、2回以上イベントが存在する可能性もあるが、これらの年代範囲のどこで起こったのかを示す情報は今のところ得られていない。

 トレンチ、ボーリング調査結果から、イベント1以降、即ちB・C層(15,320〜14,930年前)以上の層に変位・変形があったかどうかの情報はない。トレンチ内では、これらの砂礫層、砂層は5°〜10°東方へ傾斜しているが、これが堆積構造によるものかあるいは、イベントに伴うものかを判断できないためである。また、トレンチ西側側壁の最上段に、D5層直上に1,070年前のシルト層が上載するが、断層近傍の変形域からはずれた位置にあるため、また、それに対応する地層が下盤側にも存在しないため、断層活動による変位・変形を受けているかどうかは不明である。

 したがって、法林寺地区では、最新イベントに関する情報は得られていない。