(4)14C年代測定結果結果

 トレンチ内の14C年代結果を図5.1.4.7に示す。なお,採取試料リストとして巻末に14C年代試料採取リストを示す。各地層の年代(14C年代値)は下記のとおりであり、最下位のG層が4万年前後、最上位のB層が1万数千年前である(括弧内の数値CalyrBP以外はすべて暦年未補正値)。

B層    : 14,930±  110yrBP (18,370−18,255 CalyrBP)

C層(C1) : 15,360±   80yrBP (18,450−18,260 CalyrBP)

    (C2) : 15,320±   80yrBP (18,370−18,255 CalyrBP)

D層(D1−D4): 25,590±  220 〜 24,680±  210yrBP

     (D5A) : 25,990±  150 〜 25,640±  210yrBP

E層(E1) : 45,950±1,510 〜 27,650±  240yrBP

   (E2) : 30,960±  350 〜 28,040±  270yrBP

F層 (F1) : 31,280±  420yrBP

   (F2) : 31,140±  330yrBP

G層 (G2) : 46,050±1,350 〜 44,790±1,320yrBP

     (G3) : 46,880±1,100 〜 43,610±1,110yrBP

 G層(G1〜G3)は、いずれも砂礫、砂中の木片の年代であり、46,880±1,100yrBPが異質木片であるとすれば、46,050±1,350yrBP〜43,610±1,110yrBPと年代値に幅があるものの、年代誤差を考慮すれば、44,000〜45,000年前前後と見ることができる。

 F2層の年代値は、トレンチ南側側壁最下段のシルトブロックから得た年代31,140±330yrBPしかない。これは、ブロックであるため、F2層の砂礫層の年代値はこれよりも若くなることが予想されるが、直上のF1層のシルトの年代値が、31,280±420yrBPであるので、F2層の年代値は、31,140〜31,280yrBP(数百年の誤差を含む)となる。

 E1層はE2層の上に整合に上載しているように見えるが、一部(北側側壁のE1層)は明らかに下位のE2層よりも古い年代値(31,660yrBP,45,950yrBP)を示している。したがって北側側壁のシルトは、E2層中のシルトブロックと見た方が良い。E2層の堆積時期については、その中に含まれるシルトブロックの年代値のうち最も若い年代値を示すものが28,040yrBPであることから31,280〜28,040yrBPと推定される。

 D層の年代は、白色火山灰(D2層)の上下の腐植質シルトの年代とD5A層の砂礫層中に含まれるわずかな木片で年代が決まっている。ただし、D5C層,D5B層から年代試料を採取することはできなかった。

 その他、西側側壁最上段のシルト(D5層直上)からは1,070yrBPという年代が得られており、トレンチ内ではこのような若い年代を示すのは、この地点1箇所だけである。層準的には、B層よりも上位となる。