ピット、ボーリングの14C年代測定結果を図5.1.3.4と図5.1.3.5に示し、採取試料の詳細については、14C年代試料採取リスト(巻末資料)に示す。各層準の年代値は、下記の通りである。地層の記号はピット、ボーリング共通である。数値(CalyrBP)は暦年補正値、yrBPは、暦年未補正値である。
B層:3,090±40 〜 4,320±40yrBP,(4,845−3,255 CalyrBP)
C層(ピットの砂礫層以下もC層に含めた場合):8,710±40〜43,510±770yrBP
No.3孔、No.1孔の砂層はその年代結果から、いずれもB層よりも下位に相当する。
No.3孔地点においては、人工的に地表面が2m前後削られているため、B層(灰色砂層)は、欠如しており、コアでは確認できないが、深度0.9〜1.8mに8,710yrBPの砂層が、その直上0.3m間が砂礫層で存在することから、もともとは深度0.6mよりは浅い位置に存在したことが予想される。すなわち、B層が2°前後東へ傾斜していることから、断層によるB層の変位はないと判断される。なお、B層より下位層準であるC層は変位・変形に参加していたかどうかは不明である。
以上のことから当地域から得られる最新イベントは、B層の堆積前、即ち4,845yrCalBPよりも前と判断される。