ピット内の14C年代測定結果を図5.1.2.4に示す。なお、14C年代試料採取リストを巻末資料に示す。各地層の年代値は下記のとおりであり、最下位のD4層が、一部を除いて2万年前前後、C層の年代が、5〜6千年前である。以下括弧内の数値(CalyrBP)が暦年補正値、それ以外は未補正値である。
C1層: 6,070− 5,750yrBP ( 6,975− 6,485 CalyrBP)
C2層: 7,360yrBP ( 8,190− 8,150 CalyrBP)
C3層:11,880yrBP (14,030−13,830 CalyrBP)
C4層:12,670−11,860yrBP (15,365−13,825 CalyrBP)
C5層:12,580yrBP (15,280−14,395 CalyrBP)
D1層:22,510yrBP
D4層:21,190yrBP
ピット東端f1断層東側の水平シルト層から”10,200yrBP,10,570yrBP,18,720yrBP”、その直上の砂礫から18,720yrBPという若い年代値が得られている。これらのシルト層は、f1の東方落下側となるためにD4層よりも上位層準の可能性もあるが、南側側壁のシルトから採取した試料位置の層準は、北側側壁のATよりも下位にあたり、測定上の問題かあるいは、試料に原因があると思われる。上記3試料は、いずれも重量1g以下の炭質物をAMSで測定したものである。再測定を行えなかったため原因は不明であるが、堆積後の汚染が考えられる。
ピット西側側壁のC3層上端、および南側側壁のC1層上端でそれぞれ、modern,11060yrBPの年代値が得られているが、いずれもA2層(埋土)ぎりぎりのところで試料を採取しているため、A2層を採取している可能性がある。