壁面観察は、4−4−1章に示す〜
の作業である。詳細は以下の方法によった。
トレンチ法面の整形
掘削したトレンチの法面は、地層の詳細な観察ができるように人力で余分な土石を除去し平滑に整形する。
グリッドの設置
整形した法面に、観察及びスケッチの座標として1mメッシュのグリッドを設ける。 グリッドは以下の手順で設定する。
a)トレンチ法面の上端に杭を打ち、のり面を取り囲むような柵を作る。
b)板の水平距離1m毎に黄色の塗装、5m毎に赤色の塗装をする。
c)トレンチ法面上にレべルを用いて基準となる水平線を求め、水糸を張る。
d)法面上部の1m毎の釘から鉛直に線を下ろし、これと法面基部との交点に杭を打ち、両者を水糸で結ぶ。
e)水平線を基準として、各水系に法面長1m毎に目印を取り付ける。
トレンチ法面の観察及びスケッチ
以下の点に留意して実施する。
・観察の範囲は、整形した法面とする。壁面全体のスケッチの縮尺は、20分の1とする。
・観察は、肉眼で識別でき、かつ所定の縮尺でスケッチに表現できる精度の単層毎に地層を区分し、単層毎の層相・変形構造・堆積構造・地層境界の形状、位置関係、断層・亀裂、動植物遺体、液状化跡、考古学遺物等について詳細に行う。
・観察結果を正確にスケッチすると共に注記を入れる。
・単層間の不整合、単層と断層との切られた・覆ったの関係、層準による整形の違い等を総合的に判断して、断層活動が生じた層準(イべント層準)を認定し、その層準をスケッチに表示する。
試料採取
監督者の指示に従い、以下の各種試料を採取する。採取した試料は採取位置・試料番号等を明記する。また、スケッチに試料採取位置と試料番号を記入する。
・14C年代測定用試料(材、木片、腐植土等)
・花粉・珪藻分析用試料(腐食土混りシルト・粘土等)
・テフラ試料
・考古遺物(採取にあたっては考古学専門家(教育委員会)の指導を受ける)
トレンチ平面図の作成
作成した1/200地形図にトレンチの形がわかるるように記入し、トレンチの平面図を作成する。