浅層反射法探査の観測に先立って測量を実施した。測量では、測線を設定し、受振点間隔が1mとなるよう受振点位置の測量を行い、マーキングを行った。これら受振点をまた起振点ともした。図4−1−1に浅層反射法探査の観測作業の概要を示す。
図4−1−1 浅層反射法探査観測概念図
反射法探査の観測では、以下に述べる受振器・ケーブルの設置作業、起振作業、データ収録作業を全測線にわたって繰り返し行った。
・受振器・ケーブルの設置
測量で設定した各受振点に受振器を設置する。次に受振器とデータ収録器を専用ケーブル(CDPケーブル)で接続する。また、本部からの起振命令、震源からのトリガーやバイブレータのモニター波形を伝えるための専用ケーブルも震源と本部の間に設置する。
・起振作業
バイブレータのベースプレートが測量で設定した起振点位置となるようにバイブレータを移動する。本部からの起振命令信号を受け、起振する。
・データ収録
観測本部では、起振点位置に応じて受振する72点の受振器を選択し、設定を行う。起振点の準備ができたら、受振点におけるノイズ状況をモニターする。そして、比較的ノイズの小さい時に起振命令信号を震源へ伝える。起振開始と同時にデータ収録器が各受振器からのデータおよびバイブレータのモニター波形を収録する。同様に同一起振点において、4〜16回の記録を収録・保存した後、各受振器の波形記録とバイブレータのモニター波形との相互相関処理計算を行う。観測者は、この相互相関処理結果をより、データの良否を判断する。結果が良好であれば、データを保存し、起振点へは次の点へ移動するよう指示をする。
なお、本探査の観測では観測地盤条件等を考慮して、いずれの測線においても対象としている断層の下盤側、すなわち法林寺、安居測線では東側、東城寺測線では西側を始点として探査を始めた。より浅部の情報を取得するために原則として、起振点よりプラス側に48点、マイナス側に24点振り分けるスプリット−スプレッド展開とし、測線の始めおよび終端では、受振器の移動は行わない受振器位置固定で観測を行った。