平成9年度以降の調査のフローを下図(図3.3.1)に示す。
図3.3.1 平成9年度以降の調査流れ図
砺波平野では、 1586年の天正地震の際、福野町安居地内の古地震の記録から、寒川(1992,1997)は、法林寺断層が活動した可能性を指摘している。また、高清水断層や石動断層、海老坂断層については、歴史地震に関する記録は残されていない。活断層研究会(1991)は、海老坂断層は、確実度II、活動度C、石動断層は、確実度I〜II、活動度B、法林寺断層、高清水断層の両断層はいずれも確実度I、活動度Bとし、中位段丘面、低位段丘面に変位・変形があるとしている。富山県では、平成9年度、平成10年度の2カ年にわたって、法林寺断層、高清水断層、石動断層、海老坂断層の4断層について、活断層調査を実施し、更新世後期に活動している可能性が高いのは、法林寺断層と高清水断層の2断層であるという結果を得た。
今年度はこの2断層の活動性に関する情報を取得するため、トレンチ・ピット調査を実施することとした。今年度は、また、砺波平野断層帯全体の地震危険度評価とりまとめの最終年度にあたり、富山県全体の活断層調査において残された課題についても検討する必要がある。
そこで、以降にこれまでの調査の経緯、成果と今年度調査の流れについて記す。