3−3−3 今年度調査

 昨年度調査結果を踏まえ、法林寺断層と高清水断層の2断層の地震防災上必要な活動性に関する詳細な情報(最新イベント、再来間隔、平均変位速度)取得するため、今年度は、トレンチ・ピット調査、反射法探査、ボーリング調査、年代測定を実施した。下記に調査方法と期待される成果について記す。

 ・トレンチ・ピット調査+年代測定 

       → 最新イベント:断層崖下のイベント堆積物の年代決定 あるいは、断層変位を受けている地層と変位していない被覆層の年代値の決定。

 ・トレンチ・ピット調査+年代測定+反射法探査

       → 再来間隔  :断層と変形構造との関係を把握した上で、複数の断層変位、変形の痕跡を観察するとともに、変形の仕方の違う上下の地層の年代の決定。

 ・トレンチ・ピット調査+ボーリング+反射法探査+年代測定

       → 平均変位速度:断層両側の同一時間面の地層の変位量とその年代値の決定

 なお、年代決定には、地層中に含まれる木片等の炭素含有試料を用いた炭素年代測定法、あるいは、テフラ、火山灰分析、花粉分析等の手法がある。今回、主に炭素年代測定で年代値を決定し、テフラ、火山灰分析については、年代決定の際に補助的に用いた。