3−3−2 平成10年度調査

 平成10年度は、法林寺断層と高清水断層の2断層について、文献調査、地形調査、現地調査、反射法探査、重力探査、及び年代測定、花粉分析等を実施した。これらの調査から得られた結果は下記のとおりである。

<法林寺断層>

 長さ:南端は香城寺付近から、北は興法寺までの間に変位地形が認められ、この間の13kmを断層の長さと判断した。

 平均変位速度:法林寺地区において、断層両側の埴生累層上面の落差と埴生累層の年代から計算すると法林寺断層の鉛直の平均変位速度は、0.57m/千年となる。

<高清水断層>

 長さ:南端は、大鋸屋付近から北は、井波町北部までの12kmまでは、変位地形が連続的に確認できる。空中写真の判読では井波町北部の庄川右岸にも変位地形が認められる。

 平均変位速度:井波町の庄川左岸側の低位段丘III面の変位量、と低位段丘IV面の変位量とから、それぞれ、概略0.75m/千年、0.25m/千年となる。