今年度、砺波平野断層帯のうち法林寺断層、及び高清水断層の2断層のトレンチ・ピット調査、地形測量、極浅層反射法探査、ボーリング調査を実施した。両断層の活動性に関して得られた成果は、下記のとおりである。
<法林寺断層>
・最新活動時期は、6,520〜4,860年前(1950年基準、暦年補正値)である可能性が高い。
・再来間隔の平均は、およそ5〜6千年程度と判断される。
・平均変位速度は、全平均変位速度は0.9m/千年程度で、鉛直で 0.4m/千年前後と見られる。
・単位変位量は、平均変位速度と再来間隔から計算した場合、全変位量で5m程度(鉛直で2m程度)となる。
・断層の延長は、変位地形が確認されている範囲13kmを超えている(北方の小矢部川の沖積平野下まで)可能性がある。
・以上の調査結果から、法林寺断層は最新活動以降、平均的な再来間隔にほぼ相当する時間が経過しているとみられる。
<高清水断層>
・最新活動時期は、4,205〜3,678年前(1950年基準、暦年補正値)と判断される。
・再来間隔については、判断できない。
・平均変位速度(全平均変位速度)については、0.4m/千年前後と判断される。
・単位変位量については、判断できない。
・断層の延長が、20km以上(大鋸屋〜庄川右岸三合付近)となる可能性がある。
・以上の調査結果を総合すると、高清水断層の活動状況については再来間隔等不明な点が多いが、最新活動以降すでに4千年程度は経過しており、近い将来活動する可能性がないとはいいきれない。