本報告書は、平成11年度地震関係基礎調査交付金により富山県が実施した「砺波平野断層帯調査業務委託」の業務成果をとりまとめたものである。
「[新編]日本の活断層」によれば、富山県には約40弱の活断層が分布している。県内では天正地震、飛越地震などの激甚被害を受けた歴史地震はいくつかあるものの、全般的に有感地震は少なく、県民の地震防災に関する意識が必ずしも高いとはいえない。
平成7年1月の阪神淡路大震災を契機に、活断層と地震との関わりに関して関心が持たれるようになった。
富山県では平成7年度以降地震調査研究交付金の交付を受け、以下に示すようにそれぞれ基礎調査を行った。
・平成7年度:富山市周辺の呉羽山断層の調査
・平成9年度:砺波平野断層帯のうち海老坂断層・石動断層・法林寺断層・高清水断層の基礎調査
・平成10年度:砺波平野断層帯のうち法林寺断層と高清水断層についての詳細調査
今年度は、砺波平野断層帯のうち法林寺断層と高清水断層についての性状(位置、活動度(平均変位速度、最終活動時期など))の把握と活動履歴を明らかにするとともに、長期的な地震発生の可能性についての評価の基礎データおよび地震予知・防災上の基礎データを得る事を目的として実施した。
なお本業務の実施にあたり、富山県活断層調査委員会の御指導を賜った。福野町・福光町・庄川町・井波町・井口村・城端町には調査にあたり様々な便宜を図っていただいた。福野町教育委員会・福光町教育委員会からは遺跡包蔵指定地における掘削調査の便宜を図っていただいた。ここに関係各位への感謝の意を表する。