(4)<蓑谷地区>

図5−4−5

岩稲累層と医王山火山岩層とを境する断層は、低位段丘面に変位を与えておらず、一方、城端町蓑谷地区においては、長さ約1.2kmにわたって、低位段丘面中に1〜3mの変位を与えている南北性の低断層崖が存在する。この断層崖は、先の断層南端部より平野側(西側)に500〜600m離れているが、これら一連の断層中において活断層としては最も新期の活動を残している可能性がある。候補地は、変位の最も大きい断層崖2箇所(いずれも水田)のうちいずれかを考えている。

当地区では、この平野側の断層を対象にピットとボーリングによって、低位段丘構成層の変位量と年代とを決定する。

[場所]蓑谷。低位段丘U中の低断層崖(水田)

1)地形測量1箇所(L=200m/箇所、断層推定位置をまたぐように設定)

2)ピット1箇所:低断層崖をまたいで掘削(水田)。下盤を深さ2m掘削

3)後追いボーリング2本(上盤と下盤に10m1本ずつ)

4)年代測定試料採取・測定(試料数未定)

[成果の見通し]

・低崖が侵食地形である可能性は低く、その位置でのピット、ボーリングによって低位段丘構成層中のイベント、変位量の推定が期待できる。なお、炭質物等の年代測定用試料が採取できれば、変位基準面の年代を推定することができる。ただし、低位段丘形成以降の最新活動時期は決定できない可能性がある。