(2)<清玄寺地区>

図5−4−3

井波町市街の西側から連代寺にかけて分布する断層と連代寺よりも山側の丘陵と平野部を境する断層の2本が収斂する地域であり、それらの断層の活動性を併せて評価できる位置に当たる。連代寺付近では、反射法探査によって2本の断層はいずれも砂礫層(埴生層)、段丘構成層を切って山側(東側)へ傾斜する逆断層と推定され、極浅層反射、先行ボーリングで収斂する断層の位置を確認した上で、ボーリングとトレンチによって段丘構成層の年代と変位量とを推定する。

[場所]丘陵と平野境界の沢出口。低位段丘Wの断層崖(水田)

1)地形測量1箇所(L=200m/箇所、断層推定位置をまたぐように設定)

2)極浅層反射法探査(S波):1個所(延長100m)

3)先行ボーリング10m1本(下盤側で基盤が存在しないことを確認)

4)トレンチ1ヶ所:断層をまたいで下盤側で深さ3m掘削(水田、畑)

(掘削上面10×20m)

5)後追いボーリング(上盤:10m1本、下盤:30m1本)

6)年代測定試料の採取・測定(試料数未定)

[成果の見通し]

・トレンチ掘削を実施する低崖は、地形的に西明から続く断層である可能性が高く、低位段丘W面構成層中の複数のイベント、変位量の推定が期待できる。なお、炭質物等の年代測定用試料が採取できれば、変位基準面の年代を推定することができる。

・2本の断層をまたぐボーリング調査によって、年代測定試料が採取できれば、段丘構成層の対比、全変位量、平均変位速度を求めることが可能である。

・山側からの新期の堆積物が扇状地を覆って薄く堆積している可能性はあるが、直接トレンチ位置でその堆積物と断層との関係を確認し、最新活動時期を決定できるかを事前に予想することは難しい。