3−2−3 観測作業

浅層反射法探査の観測に先立って測量を実施した。測量では、測線を設定し、受振点間隔が5mとなるよう受振点位置の測量を行い、杭の敷設またはマーキングを行った。これら受振点のうち偶数番の点を発震点とした。図3−2−2に浅層反射法探査の観測作業の概要を示す。また巻末に観測状況の写真と測量結果を添付する。

図3−2−2 浅層反射法探査観測概念図

反射法探査の観測では、以下に述べる受振器・ケーブルの設置作業、発震作業、データ収録作業を全測線にわたって繰り返し行った。

・受振器・ケーブルの設置

図3−2−2に示すように、測量で設定した各受振点に受振器(ジオフォンストリングス、12連)を設置する。次に受振器とデータ収録器を専用ケーブル(CDPケーブル)で接続する。また、本部からの発震命令、震源からのトリガーやバイブレータのモニター波形を伝えるための専用ケーブルも震源と本部の間に設置する。

・発震作業

ミニバイブのベースプレートが測量で設定した発震点位置となるようにミニバイブを移動し、ベースプレートに荷重をかける。本部からの発震命令信号を受け、発震する。

・データ収録

観測本部では、発震点位置に応じて受振する96点の受振器を選択し、設定を行う。発震点の準備ができたら、受振点におけるノイズ状況をモニターする。そして、比較的ノイズの小さい時に発震命令信号を震源へ伝える。発震開始と同時にデータ収録器が各受振器からのデータおよびバイブレータのモニター波形を収録する。同様に同一発震点において、4〜16回の記録を収録・保存した後、各受振器の波形記録とバイブレータのモニター波形との相互相関処理計算を行う。観測者は、この相互相関処理結果をより、データの良否を判断する。結果が良好であれば、データを保存し、発震点へは次の点へ移動するよう指示をする。

なお、本探査の観測では観測地盤条件等を考慮して、いずれの測線においても対象としている断層の下盤側、すなわち法林寺測線では東側、高清水測線では南側を始点として探査を始めた。原則として、発震点からの距離が最も近い受振点が10m、最も離れた受振点が485mとなるインライン展開とし、測線の終端では、受振器の移動は行わない受振器位置固定のまま96チャンネルの観測を行った。