3−4 まとめ

今回の調査では以下のことが判明した。調査結果をとりまとめ活断層図を作成した(付図3−4−1)。

・従来呉羽山断層と呼ばれていた呉羽丘陵東縁の断層線崖付近には、反射法探査の結果より断層は認められず、東縁崖より約1km神通川よりにオフセットした平野下に伏在していることが分かった。また友坂断層が存在するとされていた箇所にも、反射法探査では断層は認められなかった。

・ボーリング調査により反射法探査で推定された断層が存在し、高角度逆断層であることが確認された。

・断層の走向・傾斜は、反射法探査結果およびボーリング調査結果より、婦中町安田付近でN42゚E・58゚NWであり、おおむね呉羽山丘陵東縁崖に平行に存在していることが分かった。

・断層の延長は、富山市鵯島〜婦中町長沢にかけての約9km程度が考えられる。

・呉羽山断層は少なくとも約7000年前に堆積した粘土層を切っており、また浅部の反射面に変位の累積性が認められることから、第四紀に繰り返し活動した活断層である。

・活断層の活動度としては、平均変位速度が0.16〜0.41m/千年であり、B級程度と考えられる。最新の活動時期、再来間隔、単位変位量などについては、トレンチ調査によるイベント解析を行えなかったため不明である。

表3−4−1 呉羽山断層の性状