(1)<雨滝−釜戸断層>

断層露頭f16,f17およびTO−2トレンチの調査結果から,雨滝−釜戸断層の活動は,@約6,500年前〜3,600年前の間に1回は確実,A約2.5万年前〜7,500年前の間に少なくとも1回はほぼ確実,B約5万年前〜約2.5万年前の間に少なくとも1回は推定,C約5万年前以前に少なくとも1回以上の活動を行っている可能性があるといえる.

最新の活動時期@が約6,500年前〜約3,600年前の間で,約2.5万年前に降下したAT層は@Aの2回変位を受けていることから,@とAの変位時期から推定される再来間隔は3,600年〜21,400年となる.また,約5万年前に降下したDKPは@ABの少なくとも3回の変位を受けていることから,この3回の変位時期から推定される活動間隔は9,250年〜23,200年と考えられる.

ただし,調査地域の堆積環境から,観察できた地層は時間的に不均等に堆積したと推定され,地層が欠如している可能性が高い.このことから,これらの活動以外にも未確認の活動があり,活動間隔がこれより短くなる可能性があることにも注意が必要である.