(1)<被覆層>

@盛土

西端のBS−1〜BS−6付近と,東端のBS−3〜BS−4付近に分布する.BS−1およびBS−6の盛土は,道路建設に伴う亜角礫を含む粘性土で,礫径5〜30mmである.BS−3〜BS−4の盛土は,湿原を駐車場として利用するために施工されたものと考えられ,礫径5〜30mm含む砂質土である.

A玉石混じり砂礫層

BS−1のみ分布する.礫径5〜60mmの円礫〜亜角礫を主体とする.マトリックスは砂で粘土を部分的に含む.礫径100〜500mmの玉石を混入している.非常にゆるい.締まり具合,ボーリング地点周辺の状況から見て,現河床堆積物と考えられる.BS−6〜BS−4の被覆層最下部に分布する玉石混じり砂礫層とは,締まり具合も異なり,明らかに別の層準と推定される.

B礫混じり粘土層

BS−6〜BS−3にかけて分布するが,東端のBS−4には分布しない.暗褐色を呈し,礫径5〜30ないし70mmの亜角礫を所々に混入する粘土層である.西端のBS−6〜BS−5にかけては若干腐植質となる.東から西(上流から下流)に向かって厚くなる傾向がみられ,BS−5で最も厚く,層厚1.4mである.BS−6では,盛土による圧密あるいは盛土による置換のため,観察された層厚は0.8mにすぎないが,下面標高が急に低くなっており,本来ならば東端のBS−6で最も厚かった可能性がある.

C腐植土層

BS−6〜BS−4にかけて分布する.黒色を呈し,所々に木片,植物根を混入する.下部には礫径5〜50mmの亜角礫〜亜円礫が混入していることが多い.西端のBS−6のみ全体に礫径 5mm程度の小礫が点在する.東側のBS−5からBS−4にかけての層厚は,約0.8〜1.3mであるが,BS−5から西端のBS−6に向かって急に厚さを増し,BS−6での層厚は1.9mである.

D腐植質粘土混じり砂礫層

BS−5〜BS−4にかけて分布する.黒褐色を呈し,礫径5〜50mmの円〜亜角礫が主体の砂礫.BS−3では礫径は70mmに及ぶ.マトリックスは腐植質粘土でやや砂分が多くなることもある.所々に木片が混じる.中央部のBS−2〜BS−3にかけて厚く層厚約2.2mであるが,両端のBS−5およびBS−4では層厚約1.1〜1.3mである.

E腐植混じり礫混じり粘土層

BS−5〜BS−4にかけて分布する.黒褐色を呈し,礫径5〜30mm程度の亜角礫が所々に点在する粘土.全体に腐植質で,中央より東側のBS−2〜BS−4の3本は,下部に腐植土を挟む.BS−5はやや砂分を含む.BS−5を除いて,層厚は約0.5mであるが,ゆるやかに東から西へ傾斜している.BS−5における層厚は約0.9mである.

F砂質シルト

BS−5でのみみられる.礫径0.5mm程度の小礫が点在するシルト. 層厚は約0.8mである.

G石混じり砂礫層

BS−6からBS−4にかけて分布する.礫径5〜60mmの亜円礫〜亜角礫を主体とする.マトリックスは粘土あるいは粘土混じりの粗砂で下部には所々礫径70〜400mmの玉石が点在する.BS−2〜BS−3では,上部に層厚10〜2cmの腐植土を挟む.中央部のBS−2〜BS−3の層厚は3.2〜3.6mと薄いが,両端部に向かって厚くなり,BS−4では層厚5.5m,BS−5〜BS−6にかけては層厚4.5〜4.8mである.