(1)<雨滝−釜戸断層の活動履歴のまとめ>

断層露頭f16,f17およびTO−2トレンチに見られる地層の変位量および変位形態等を表3−2−6および図3−2−11にまとめた.これらの調査結果から,雨滝−釜戸断層は,

@約6,500年前〜3,600年前の間に1回の活動は確実

A約2.5万年前〜7,500年前の間に少なくとも1回の活動はほぼ確実

B約5万年前〜約2.5万年前の間に少なくとも1回の活動が推定される

C約5万年前以前に少なくとも1回以上活動した可能性がある

と推定される.

ただし,これらの値は,大坂地区のみで得られた情報をもとに推定している.大坂地区の調査地点は山間の平坦地であることから,常に堆積物が供給されるような堆積環境ではなく,複数の年代の地層が欠如している可能性がある.このため,いくつかのイベントが認識できていない可能性があることに注意が必要である.

表3−2−6 変位の認められた層とその鉛直変位量およびイベントの確実性

図3−2−12−1 大坂地区の断層露頭f17およびTO−2における断層活動模式図@

図3−2−12−2 大坂地区の断層露頭f17およびTO−2における断層活動模式図A