(3)地震の痕跡など

地震の痕跡としては,鳥取市古海の山ケ鼻遺跡と鳥取市秋里の秋里遺跡において,液状化現象(噴砂・砂脈)が確認されている(図3−6).この地震の痕跡は,いずれも鳥取地震(1943年,M7.2)に伴った現象である可能性が高いとされている(中原,1996).

調査地域の雨滝−釜戸断層の北西延長にあたる細川地区において,江戸時代に「蛇持」の発生についての記述がある(『因幡誌』による).それによると,昔この地域に細川池というラグ−ンがあり,その北側(砂丘側)で砂の隆起(蛇持)が発生したということであるが,地震との関連性については不明である.

また,細川から塩見川をやや上った粟谷地区において,縄文前期−晩期から古墳時代までの遺跡が確認されている(町田・清水,1983).

図3−5 中国地方・近畿地方北西部の被害地震分布(宇佐美,1996)

図3−8 地震痕跡が確認された遺跡位置など

国土地理院発行20万分の1地勢図「鳥取」を使用