（２）平成１０年度調査
平成９年度に実施したボーリング結果から、旧狭山ヶ池の堆積物を精査するために、広めに調査を実施したが、西側への旧狭山ヶ池の広がりはほとんどないことが判明した。旧狭山ヶ池の粘土層中に断層活動の痕跡を探す目的で、軟Ｘ線を実施した。軟Ｘ線の結果では、約１７，２５０±７０ｙＢＰの腐植土の直下にやや粗粒な堆積物（タービダイト様、イベント堆積物の可能性あり）がみられ、この時期になんらかの活動が考えられる。また映像ではやや不明瞭であったが、付随して実施した、分光反射率や初磁化率の測定から、深度約１．６２ｍ付近でほかの深度に比べ、試料の土壌化の進行が著しいことが、確認された。この地質時代は、平成９年度の調査結果から、１，６５０±５０ｙＢＰころである。このことは、土壌化を引き起こす環境変化があったことを示し、立川断層の活動と直接関連する可能性もある。