3−4 総合解析

立川断層を横断するの2つの調査測線(武蔵村山市三ツ木地区および立川市泉町地区)において実施したバイブロサイス反射法地震探査の深度断面図および既存のボーリング資料等の地質資料を参考もとにした解釈断面図を図19−1(測線T97−1)および図19−2(測線T97−2)に示す。また、カラー断面図を図20−1および図20−2にそれぞれ示す。

また、測線T97−1の深度断面図上の深度約700m付近の深部反射面からの屈折波が、現場記録で何ヶ所かで確認されており、この屈折波を用いた深部構造解析を実施した。図21に、反射深度断面図と深部屈折波が確認できる現場記録とを対比させたもの、図22に深部屈折波のタイムターム解析結果をそれぞれ示す。

これらを参照して、以下の事がわかった。

地表で指摘されている立川断層の位置周辺において、基盤上の堆積層は凸構造を示し、反射波の乱れが顕著であり、小さな逆断層等が見られる。但し、明瞭な上下の落差を伴う断層はみられない。

基盤岩上部については凹凸に富み反射強度も変化するが、少なくとも今回の調査測線上には、明瞭な上下の落差は認められない。

この傾向は多摩川沿いの既存の反射記録(防災科学技術研究所、1995)でも同様である。

このことから、立川断層は横ずれが卓越した断層の可能性がある。

但し、重力異常図(地質調査所、1995)によれば、立川断層周辺においては、東側に向かって基盤が落ち込んでゆくことが推定されるので、この傾向と立川断層の関係については、更なる検討が必要と考えられる。