(1)分析方法

調査は、まず火山灰物質の有無を確認し、火山灰物質の性状記載・測定を行い、既往の調査事例と比較して対比する。分析項目は、鉱物組成概査、重鉱物組成測定を行い、火山物質の有無を判定する。次に、火山物質が認められた試料について、火山ガラス形態分類と屈折率測定を実施する。分析手順は以下の通りである。

1.色調・岩質等を記載する。

2.80℃以下で乾燥し、約30gを秤量する。

3.水洗,指圧,超音波分離により分散させる。

4.#60,#120,#250の標準フルイにより篩別する。

5.#120〜#250(1/8〜1/16mm)サイズの細砂分より、鉱物組成概査用のプレパラートを作製する。

6.重液(ポリタングステート:比重2.96)により重軽鉱物を分離する。

7.重鉱物分析用のプレパラートを作製する。

8.火山ガラスが多い試料については、屈折率の測定を行う。

・鉱物組成概査は、篩別により得られた細砂画分砂粒よりプレパラートを作製して、偏光顕微鏡下で同定計数し、粒数%にて表中に示す。

・火山ガラスの形態分類は、町田・新井(1992)/吉川(1976)の分類に準じて、上記の測定の際に計数した火山ガラスについて形態を分類計数し、粒数にて表中に示す。

・重鉱物組成は、細砂画分について重液による比重分離を行い、得られた重鉱物よりプレパラートを作製して偏光顕微鏡下で同定計数し、粒数%にて表中に示す。

・屈折率の測定は、上記の重液分離で分離された軽鉱物中に含まれる火山ガラスについて、温度変化法(古澤,1995)による屈折率測定を行う。

・火山灰の比較には、町田・新井(1992)などを参照する。