(2)反射面のパターン

屈折波の初動走時から求めた表層付近の速度構造を図4−6−14に示す。上が第1測線の速度構造、下が第2測線の速度構造である。また、地質調査所が実施した坂東地区反射法探査の深度断面図および重力探査ブーゲー異常図を図4−6−15に示す。なお、同図下のブーゲー異常図には、今回実施した2測線の位置も示した(第1測線:@、第2測線:Aで表示)。

図4−6−13図4−6−14、図4−6−15から、反射面のパターンを比較すると、以下のことが分かる。

・ 両測線とも反射面のパターンが非常に類似している。第1測線の場合、杭番号150より南側(起点側)では、標高−500m程度まで連続的な反射面が明瞭に見られるが、杭番号150より北側(終点側)では、地表付近を除いて反射面が見られない(図4−6−13上図参照)。この反射面のパターンは第2測線でも現れており、杭番号110より南側(起点側)では、標高−500m程度まで連続的な反射面が見られるが、北側(終点側)では、地表付近を除いて反射面が見られない(図4−6−13下図参照)。これらの反射面のパターンは、地質調査所の結果(図4−6−15上図参照)とも調和的である。

・ 第1測線の標高−200m以浅の反射面のパターンを見ると、標高−150mの反射面は杭番号165付近で切れており、標高−100mの反射面は杭番号150付近で不連続となっている。また、図4−6−13上図に示す反射面@は、杭番号125〜135区間で上方に膨らんだ形状を示している。ここで、第1測線の表層付近の速度構造(図4−6−14上図参照)を見ると、距離程820m(杭番号164に対応)付近から3.0km/sec層が現れており、反射面の不連続位置と速度構造の変化位置がほぼ一致している。

・ 第2測線の標高−200m以浅の反射面のパターンを見ると、標高−150mの反射面は杭番号100付近で切れており、標高−100mの反射面は杭番号90付近で不連続となっている。また、標高−70mの反射面は杭番号85付近で不連続となっている。ここで、第2測線の表層付近の速度構造(図4−6−14下図参照)を見ると、距離程1000m(杭番号100に対応)付近から3.0km/sec層が現れており、第1測線と同様、反射面の不連続位置と速度構造の変化位置がほぼ一致している。

地質調査所が実施した重力探査結果(図4−6−15下図参照)と今回の反射法探査の深度断面(図4−6−13参照)を比較すると、東西方向に帯状に分布する重力異常の急変帯と、反射面が不連続となる位置がほぼ一致している。