(3)速度解析、CDPスタック

各種フィルター処理を施した結果にCDPソーティングを行った後、速度解析を実施した。図4−6−10−1に速度解析により求めた速度テーブル、図4−6−9−1にはそのスタック速度テーブルを用いてCDP重合した時間断面を示す。杭番号0〜125にかけては、600msec程度まで有意な反射波列が認められる。0〜200msecまでは、反射波列は全体的に水平ではあるが所々不連続となっており、特に杭番号100〜110で顕著である。200msec以降では反射波列はほぼ水平であり、時間が大きいほど反射波列が見られる区間が小さくなっている。杭番号150〜300では、有意な反射波列はほとんど見られない。

図4−6−9−2にマイグレーション処理結果後の時間断面を示す。また、マイグレーションに用いた速度テーブルを図4−6−10−2に示す。この速度テーブルは、先の図4−6−10−1に示したスタック速度に水平方向のスムージングをかけたものである。マイグレーションによるディフラクションパターンの解消とひずみの現れ方の兼ね合いを観察した結果、この速度テーブルの60%の速度値でマイグレーションを実行した。