4−4−2 観測作業

反射法弾性波探査の観測では、以下に述べる受振器・ケーブルの設置作業、起振作業、データ収録作業を全測線にわたって繰り返し行った。図4−4−1に反射法弾性波探査の観測作業の概要を示す。次ページに、観測状況の写真を貼付する。

・受振器、ケーブルの設置

図4−4−1に示すように、測量で設定した各受振点に受振器(ジオフォンストリングス12連(第1測線)、9連(第2測線))を設置する。本探査の観測では、各ジオフォンの間隔を2m(第1測線)及び1.2m(第2測線)、アレイ長を22m(第1測線)及び10m(第2測線)とした。次に受振器とデータ収録器を専用ケーブル(CDPケーブル)で接続する。また起振時刻を知らせるために、震源からトリガーケーブルをデータ収録器に接続する。

・起振作業

(第1測線)重錘の落下点が測量で設定した起振点位置となるように起振車を移動し、重錘を高さ1〜2mまで引き上げる。落下点には、舗装面の保護のためウレタンマットを敷き、その横には地震計の落下を感知するトリガーセンサーを設置する。本部の合図を受け、重錘を落下させる。

(第2測線)バイブレータのベースプレートが測量で設定した起振点位置となるように起振車を移動し、ベースプレートを地面上に設置する。舗装面保護のため、ベースプレートをゴムマットで覆う。本部の合図を受け、一定時間周波数を変えた振動を地中に送り込む。

・データ収録

観測本部では、起振点位置に応じて受振する96点(第1測線)または112点(第2測線)の受振器を選択し、設定を行う。起振点の準備ができたら、受振点におけるノイズ状況をモニターする。そして、比較的ノイズの小さい時に起振点に連絡し、重錘を落下(第1測線)またはバイブレータを振動(第2測線)させる。第1測線の場合、重錘が落下すると、その横に置いたトリガーセンサーからの信号を受け、データ収録器が各受振器からのデータを収録する。第2測線の場合、バイブレータを振動させると、振動制御装置に接続したトリガーケーブルからの信号を受け、データ収録器が各受振器からのデータを収録する。観測者はそのデータを観察し、良好であると判断した場合、そのデータをハードディスクに保存する。同様に同一起振点において、第1測線の探査では4回の記録を収録・保存した後、起振点を次の点に移動させる。このように同一起振点において収録した記録は、解析時にノイズを多く含んだトレースを削除した後にスタック(垂直重合)した。第2測線の探査では、現場でデータ収録時にスタック(1〜12回)した。

なお、今回の探査では、観測地盤条件等を考慮して、両測線とも測線の南側を起点、北側を終点として観測を行った。