3−6−3 地表地質踏査

鳴門市から土成町にかけては、沖積低地や沖積扇状地での踏査であり、主に空中写真判読から推定した断層変位地形の確認を主眼とした。これらの結果は前章で述べているのでここでは省略する。

板野町大寺北側では、西北西−東南東方向の断層が鳴門断層から分岐している。この断層の延長線上で中位段丘礫層を切る断層露頭を確認した。

脇町東田上では田上断層の延長線上で断層露頭を確認した。ここでは、結晶片岩破砕帯が土柱層に衝上しており、その北側で高角度断層で結晶片岩と和泉層群が接している。高角度断層が田上断層に相当するものと考えられる。

三野町芝生では土砂採取地で三野断層の断層露頭が報告されていた。徳島自動車道の工事により、土砂採取地の断層露頭は消滅しているが、切土法面に新しい断層露頭が出現している。ここでは、結晶片岩破砕帯を取り込んだ和泉層群破砕帯と、さらにこれを切る断層がみられる。断層の南側は崖錐性の角礫層や地すべり性の堆積物からなる。