3−6−2 既存ボーリング資料の収集

空中写真判読では微高地の南縁に伏在断層を推定しているが、沖積低地の既存ボーリング資料によると、微高地から南側で基盤の深度が急激に深くなっており、既存ボーリング資料からも伏在断層が推定された。また、三野断層、池田断層について新たな知見を得た。

鳴門市里浦から大麻町にかけての沖積低地での既存ボーリング資料によると、微高地南縁の低崖を境としてその南側で基盤の深度が急激に深くなっている。大麻町姫田東側の高架橋ボーリング資料では、北西側では深度9.85〜23.88mで和泉層群基盤に達しているが、その南東側では深度80.6mでも基盤に達していない。このことから、JR鳴門線付近に伏在断層が推定される。板野町犬伏でも鳴門断層から南側で基盤が急激に深くなっている。

三野町太刀野の河内谷川を横断するボーリング資料によると、和泉層群の下位に礫層が分布しており、断層が推定される。ボーリングの並びの南側を三野断層がとおるものと考えられる。

池田市街地西方の既存ボーリング資料によると、和泉層群の地すべり移動岩体の下位に厚さ10〜20mの礫層が分布している。その下位は三波川帯結晶片岩からなる。その西側で吉野川を横断する既存ボーリング資料によると、北西側のボーリングでは現河床堆積物の下位は和泉層群からなるが、南東側のボーリングでは現河床堆積物の下に厚さ25〜30mの湖沼堆積物が分布しており、その下位は三波川帯結晶片岩の破砕帯である。このことから、池田断層の位置を推定できた。これから池田断層は従来のストリップマップに示された位置よりもやや北側をとおることが明らかになった。