(1)トレンチ調査

トレンチ調査は溝状に地面を掘削し、断層付近の地質状態を調べ断層の新しい時代の活動性(最新活動時期や再来間隔)を把握することを主な目的として実施する。調査は4箇所で行った。

トレンチの規模は、大規模なものでは幅約15m×長さ約25m×深さ5m程度、小規模なものでは幅約5m×長さ約15m×深さ3m程度、極小規模なものでは幅約5m×長さ7m×深さ3mで掘削する。

トレンチ位置は、地形地質調査や物理探査の結果により選定する。

なお、掘削する前に平面測量を行い、付近の地形を詳細に記録した他、掘削した後、トレンチ壁面を必要に応じて縮尺1/100〜1/20でスケッチを行い、その地質状況から活動記録を読みとる。作成したスケッチ図と壁面の写真は、別冊資料集にまとめて添付した。

図2−5−1に断層変位が確認できる地質現象の例を示す。

腐植土や火山灰などの地質については年代測定や同定を行うための試料を採取した。

芝川町羽鮒地区で掘削したトレンチは、調査終了後、一般の方にも見学していただけるように、公開日をもうけて芝川町を中心とした県民に開放した。

図2−5−1 断層変位が確認できる地質現象の例