1−4−1 入山断層系の評価

表4に入山断層系の各断層の性状一覧表、図28に入山断層系の活動履歴一覧図を示す。

図28に示すように入山断層系のうち、2万年前以降の活動が認められたのは、入山断層と芝川断層のみである。

中山断層と善福寺断層は、上記の断層と同様に、第四紀に活発に活動し形成された断層であるが、少なくとも約7〜8万年前以降活動しておらず、将来にわたり活動するような断層ではないと考えられる。また、安居山断層南方延長部には断層は存在しないと考えられる。

入山断層と芝川断層は、地質断層としては連続する1つの断層であるが、最近の時代の活動は大きく異なる。

芝川断層は約2万年以降少なくとも4回の活動が確認されるのに対し、入山断層は約2万年以降1ないし2回しか活動していないと考えられる。また、平均変位速度も入山断層が0.25〜0.4m/103年であるのに対し、芝川断層は2.0〜2.3m/103年であり、芝川断層の方が入山断層より約5〜8倍大きい値を示す。

したがって、芝川断層と入山断層は地質断層としては同じものであるが、活断層としては別の断層セグメントであると考えられる。

図28 入山断層系の活動履歴一覧図

表4 入山断層系の断層性状一覧表

以下に、入山断層と芝川断層の評価を示す。