(4)活動履歴

入山断層について活動履歴をまとめると、以下のとおりである。

@断層の長さは、陸域で約10km、海域で約5km、全長は約15kmである。

A入山断層北部での活動は、時代は特定できないが少なくとも2万年前より新しい堆積物に変位を与えており、それ以降に活動したと考えられる。

また、大沢スコリアを含むローム層に覆われる崖錐堆積物に変位を与えていないことから約3,000年前以降は活動していないと推測される。

B入山断層南部(由比町室野以南)での活動は、低位段丘堆積物に変位を与えているが、沖積層(約1万年前)には変位を与えていない。したがって、少なくとも入山断層南部は約1万年前以降は活動していない。

C入山断層の平均変位速度は、由比町室野以北では低位段丘面を約5〜8m、さらに下位の段丘面を約2m変位させてることから、低位段丘面の形成が仮に2万年前程度とすると、5〜8m/2万年=0.25〜0.4m/103年となり、活動度はB級であると推定される。

図13 入山断層北部・泉水地区地質断面図(東西方向)

図14 入山断層北部・古期崖錐堆積物を切断する入山断層

図15 入山断層南部・室野地区地質断面図(東西方向)

図16 入山断層南部・由比地区地質断面図(東西方向)