(2)作業方法および注意点

作業方法および注意点

トレンチ作業の具体的な方法や注意点は、次のようである。

・トレンチ掘削にあたっては、掘削用地および掘削残土置き場や作業ハウス、トイレ等の用地も設定した。

・掘削にあたっては、重機による掘削であるため、特に水田用地などでは、まず表土および耕土だけを薄くはぎ取り、下位の土層・地層と混在しないようにした。

・トレンチの規模は、掘削最中に出現する地質を確認しながら、基盤,堆積物が出するように掘削した。

・掘削残土は、雨によって流出しないようにビニ−ルシ−トをかけるなど十分な注意をはらった。

・排水は、トレンチ内からの出水だけでなく、外側からの流入を十分防ぐ努力をした。ただし、秋葉トレンチでは、十分に河川水の水替え工事を行っていたが、40年確率の降雨に見舞われ、河川水のトレンチ内への流入があり、一時水没に伴う、法面崩壊という事態に陥った。これは、今後の教訓である。

・トレンチ法面は、最終的には人力による整形を行った。礫質な堆積物の場合、礫の状態を見ながら慎重に作業を行った。

・観察にあたっては、1mメッシュにグリットを設けた。グリットの設定にあたっては、まず、トレンチ周辺の横板と杭で柵を作り、次に板の水平距離1mごとに釘をうち5m毎に赤色のペイント・1m毎に白色のペイントを行った。さらにトレンチ法面上にレベルで基準となる水平線を決め、回りに横板の1mごとの釘から水平線と直交するように水糸をたらし、法面下部と固定した。これによって1mごとのグリットが完成する。