(5)参考

参考としてE−1測線の70m付近の東海層群の露頭と、E−1測線の354m(北端)より70m上流側の中・古生層(美濃帯)の露頭の比抵抗を測定した。比抵抗を測定した露頭の位置は図2−3−3−7に示す。その結果を以下に示す。

表2−3−3−3 露頭の比抵抗測定結果

この結果によれば、中・古生層(美濃帯)の方は東海層群と比べてかなり高い比抵抗値を示している。

A 鉱物や岩石の比抵抗値

一般には、金属鉱物の比抵抗は小さく、他の鉱物は大きい。一方、地山の比抵抗は、地質、風化変質、含水状態によって異なるが、一般に、同一地質であれば、新鮮岩に比較して、風化変質岩は低比抵抗値を示すことが多く、また地山を構成する物質の含水が大きいほど、比抵抗値は低くなる傾向を示す。

表2−3−3−4に示すように各鉱物や岩石の比抵抗は大きな幅を持って分布するため、比抵抗の絶対値で地質の構造を推定することは困難である。このため高密度比抵抗電気探査では、通常、比抵抗値の相対的な高低やその分布のパターンから地質構造の推定を試みている。

表2−3−3−4 主要鉱物・岩石・土の比抵抗