(4)調査結果

本調査では、データ処理結果として、見掛比抵抗値で表示した比抵抗階級分布断面図と、2次元インバージョン処理により作成した比抵抗断面図の2種の断面図を作図した。各測線毎の比抵抗階級分布断面図と比抵抗断面図を図2−3−3−4図2−3−3−6に示す。

イ)比抵抗階級分布断面図

インバージョン2次元解析の基となる見掛け比抵抗値断面図は、(3)データの処理及び解析方法 の項の@〜Bの数値処理を行い、5段階に色別表示したものである。図2−3−3−3フローチャートにおいて右側の流れに対応する。

ロ)比抵抗断面図

比抵抗インバージョン2次元解析は、断面と直行する方向の比抵抗分布は一様であると仮定し、測定値を満足するような比抵抗分布を逆解析する方法である。

解析手順は、まず初期比抵抗分布を与え、有限要素法により電位の計算を実施する。次に、電位の計算結果と測定値との差が小さくなるように、比抵抗分布を非線形最小自乗法で修正する。順次このような電位の計算と比抵抗分布の修正を繰り返し、計算結果と測定値との差が一定以下になれば、計算を終了させる。

これらの断面図は、計算結果を20Ω・m毎にカラーコンター表示したものである。また比抵抗断面図において、断面図上の黒色ドットは、測定データの位置を示している。これらの断面図は、フローチャートにおいて左側の流れに対応する。

@ E−1測線

比抵抗値が300Ω・m以下と全体に低いことが特徴としてあげられる。

比抵抗分布は、地表付近では笹尾山トンネルを堺にして、南側に比抵抗が相対的に高い部分、北側に相対的に低い部分が層状分布している。その下位では、測線南端とトンネル付近で低く、その間と北側は高くなっている。

図2−3−3−4 E−1測線比抵抗断面図

A E−2測線

比抵抗値が300Ω・m以下と全体に低いことが特徴としてあげられる。

比抵抗分布は、地形面と平行な明瞭な水平成層構造を持ち、比抵抗値の違いにより、大きくみて3層に区分できる。地表から順に、相対的な高比抵抗(第一層),相対的な低比抵抗(第二層),再び高比抵抗になる傾向(第三層),である。

図2−3−3−5 E−2測線比抵抗断面図

B E−3測線

比抵抗値が300Ω・m以下と全体に低いことが特徴としてあげられる。

比抵抗分布は、測線の0〜120m付近の上部と170m付近から終点側に比抵抗が相対的に高く、0〜170m付近の下部では相対的に低くなっている。

図2−3−3−6 E−2測線比抵抗断面図